犬が何回も吐く。食べている途中でも吐く。巨大食道症(食道拡張症)②原因編
2013年11月25日
巨大食道症(食道拡張症)②です。
第1回目はこちら「犬が何回も吐く。食べている途中でも吐く。巨大食道症(食道拡張症)①」
今回から巨大食道症(食道拡張症)がどういう物なのかの説明を簡単に。
<巨大食道症(食道拡張症)の原因>
大きく分けると2つあります。一つは先天性(生まれつき)。もう一つは後天性(何かが原因でそうなってしまった。) 先天性よりも後天性の方が多く見られる傾向にあります。
「先天性」
離乳時によく吐く事で見つかります。
好発犬種は・・・グレート・デン、ジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリバー、シャー・ペイ、アイリッシュ・セッター、ミニチュア・シュナウザー等。若いシャム猫も遺伝性が推測されます。
よく分かっていないことも多いです。
「後天性」
何かの病気により神経や筋肉の機能障害に陥りその結果食道の運動性や機能性が失われてしまうことにより症状が発生します。
好発犬種は・・・特になし。8歳以上で好発する傾向にあるが、低年齢でも発症します。
原因となる疾患・・・重症筋無力症、多発性筋炎、全身性紅斑性狼創、巨細胞軸索神経障害、皮膚筋炎、多発性神経根ニューロパシー、鉛中毒、有機リン中毒、ボツリヌス中毒、副腎皮質機能低下症、甲状腺機能低下症、自律神経障害(猫)、幽門狭窄(猫)
非常に多くの疾患が関わってくるため鑑別診断に苦労します。
これらの病気にかかっていないかを検査することにより、原因がわかればその病気を治療することにより巨大食道症自体の治療となり得ます。
次回は治療と管理です。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。
画像は「食餌管理」のヒントです。
注文してから出てくるまでが意外と長く、出てきたときには新幹線がホームに来ていたため、一口しか食べることが出来なかった苦い想い出があります。