奇跡が起きるならば。(熱中症とDIC)
2013年08月05日
4週間ほど前のある日の朝一番に、熱中症でぐったりしたワンちゃんが運ばれてきました。
前日のお昼は「とんでもなく暑かったあの日」です。
良く吠えるワンちゃんということで、炎天下の中吠え続けていたそうです。
そして「ぐったりしてしまった」とのことでした。
幸いにも意識はありましたが、明らかに状態が悪そうでした。
血液検査等の各種検査を行いましたが、項目の殆どが異常値を示す状態でした。
特に脱水の程度と血小板の減少と腎数値の上昇と肝臓数値の上昇が非常危険な状態を示していました。
皮膚には紫斑が確認出来ました。
飼い主様には、「DIC(播種性血管内凝固症候群)の状態です。非常に危険な状態であると考えて下さい。」と伝えました。
現実的にこの状態から回復する事はかなり難しいです。
今までに何件ものDICを治療してきましたが治療が奏功する可能性はかなり低いです。
「それでも少ない可能性に賭けてみたい」という飼い主様の強い希望で治療を開始しました。
何種類もの注射と点滴を組み合わせた治療を行い状態の改善を図りました。
数日間入院して頂きがんばりましたが、実際に血液検査の数値は悪化の一方でした・・・。
次回に続く。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。
著者 渡邉将道