奇跡が起きるならば。(熱中症とDIC)④
2013年08月12日
前回の続きです。前回はこちら。
最期を家で迎えるために退院したワンちゃんが、元気になって再来院したと思ったら、血液検査の数値は最悪だった。
というのが前回までのお話でした。
その日より飼い主様は毎日通院され治療をされました。しかし状況が悪化するわけでもないが、良くなるわけでもない。
「明らかに悪くなっていないことが良い兆候でしょう。」
可もなく不可もない・・・そんなお話しかできないような状態が一週間位経ちました。
そして再びご来院が途切れました。やはりまさかの事を考えました。
でも、何となく、またひょっこり来院してくれるような気も少しだけ・・・。
5日後。それは現実になりました。
しかも今まで寝たきりだったのが,、ふらふらですが歩けるように!!!
さらに10日後には普通に歩いてのご来院!
満を持しての血液検査も信じられない程の回復ぶりを見せてくれました。
そして翌日より今日までホテルにて当院で宿泊。
初めて鳴く声を聞きました。オシッコもうんこも出ました。食欲はムラがありますが、強制給餌で食べさせました。
飼い主様が迎えに来られた時、それはもう、うれしそうに飛び跳ねて、体で喜びを表していました。
入院や通院されている時分の飼い主様の表情は決して明るい物ではありませんでしたが、先日よりそれを払拭するかのような笑顔を拝見することが出来ます。
本当に良かった。
僕が行った治療は決して特別な物ではありません。
飼い主様の懸命な看護や思いがワンちゃんの生命力とシンクロした結果ではないでしょうか。
どんな力が働きどうしてそうなったのか、僕には分かりません。奇跡だとしか思えません。
「本当に良かった。本当に良かった。」
お帰りになった後しばらく、この言葉だけが何度も何度も僕の頭の中をリフレインしていました。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。