犬が何回も吐く。食べている途中でも吐く。巨大食道症(食道拡張症)③治療編
2013年11月29日
犬が何回も吐く。食べている途中でも吐く。巨大食道症(食道拡張症)③治療編です。
巨大食道症(食道拡張症)の原因が知りたい方は前回のブログを参照して下さい。
前回はこちら「犬が何回も吐く。食べている途中でも吐く。巨大食道症(食道拡張症)②原因編」
<治療>
先天性:治療はありません。栄養管理と誤嚥した場合の誤嚥性肺炎の治療。
後天性であれば、原因となる疾病の治療が第一です。
「重症筋無力症」→ピリドスチグミンの投与
「甲状腺機能低下症」→甲状腺ホルモンの投与
「多発性筋炎等の免疫系の疾患」→プレドニゾンの投与
「副腎皮質機能低下症」→酢酸フルドロコルチゾンの投与
「鉛中毒」→EDTACaの投与。
等々
しかし、後天性特発性巨大食道症では先天性と同様に栄養管理と誤嚥性肺炎の治療がメインとなります。
お薬として食道の運動機能を刺激するために幾つかの薬が選択されることがありますが、それらの薬は平滑筋運動促進薬であるため、効果的に作用する可能性は低いと言われています。
なぜならば、犬の食道には横紋筋には薬の受容体である「5-HT受容体」が存在していないからです。
過剰な期待は禁物ですが、ベタネコールに反応する場合もあるようです。
また、食道炎を疑う場合はスクラルファートの服用が併用されています。
次回は管理編です
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。