再灌流傷害を緩和するかもしれないラザロイド(lazaroids)について。
2014年01月05日
人の再灌流障害ではサイトカイン療法やラザロイドの影響が研究されているようです。
研究に用いられているのは動物なので効果があるのかもしれません。
ただ、獣医療で治療として用いられているという話は聞いたことがありません。
人ではリウマチの治療に用いられているようです。
いろいろと調べてみましたのでご参考になれば・・・
<ラザロイドの効果や特徴について>
再灌流障害にて発生した過酸化脂質生成を強力に阻害する作用を持つ。
IL-1b,IL-8,IL-1 ,TNFα.の発生も抑制する。
エンドトキシン誘発肝障害を抑制する作用。
一方で、過酸化物誘発性細胞傷害の初期段階のみ有効で、後期段階には作用しないという報告も。
☆調べた割には・・・これだっていう決定打の無いものばかりでした。
まだ分かっていない事も多いようです。
新しい論文が出ていないようなので、過度な期待はしない方が良いです。
さらなる知見が分かり次第ご報告します。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。
<参考文献>
丸林 誠二ら. “エンドトキシン肝障害に対するLazaroidの保護機構の研究 : コルチコステロイドとの比較検討”.日本外科学会雑誌. 1999
TANOUE,Y, et al, ” Inhibition of lipid peroxidation with the lazaroid U74500A attenuates ischemia-reperfusion injury in a canine orthotopic heart transplantation model”. JOURNAL OF THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY. 1996, Vol 112, No 4, 1017-1026
安田 慶秀. “虚血・再灌流傷害における鉄依存性脂質過酸化阻害による脳・脊髄保護効果に関する研究”. 科学研究費助成事業データベース, 国立情報学研究所, http://kaken.nii.ac.jp/d/p/08457338.ja.html, (参照 2013-12-20)
HUANG,H, et al, “Lazaroid compounds prevent early but not late stages of oxidant-induced cell injury: Potential explanation for the lack of efficacy of lazaroids in clinical trials”. Pharmacol Res . 2001 , Vol 43 , No 1, 55-61