犬の精巣(睾丸)が腫れている。(犬の精巣炎、精巣上体炎)①
2014年02月08日
精巣(睾丸)が何らかの原因で腫れてしまう病気について。
14歳のワンちゃんが元気が無くなってしまったとのことで御来院されました。
飼い主様は「いつもならば食欲旺盛で与えられたご飯は即完食するのだが、昨日から食べるスピードが遅くなった。」
「訴えるような鳴き方をする」と心配されていました。
一般状態は特に変わったところは無さそうですが、お尻をチェックするときに陰嚢(精巣の入っている袋)が片側だけ大きくなっていて、そっと触ってみただけでとても痛がります。
触診では非常に熱感があり、固く、片方はもう一つよりも明らかに大きくなっていました。また大きい方は可動性が無く内側で固定されているような感じです。
超音波では拡大傾向でボコボコとした実質らしき物が精巣として見えました。
幾つかの可能性が考えられました。① 精巣腫瘍 ② 精巣捻転 ③ 精巣の炎症 ④ 精巣への直接的な外傷(踏んでしまった等) ⑤ その他
飼い主様ともお話をして、できるだけ侵襲の少ない治療から始めることにしました。
軽度の炎症や外傷だったら内服薬で効果が期待できます。
腫瘍だったら摘出も考えないと行けませんが、針を刺して細胞を採取して腫瘍の可能性確かめることもできます。
年齢を考えると全身麻酔を伴う精巣摘出手術は最後の手段だとお話ししました。
まずは内服薬で一週間様子を見てその後の治療について判断することになりました。
しかし、一週間後さらに腫れが顕著になり、痛みが強くなりさらに元気がなくなっていました。
飼い主様は痛みからの解放を希望されました。お話し合いの結果、内服薬での対応は難しいと判断し、原因自体(精巣)を確認し摘出する事になりました。
次回に続く。
画像は正常な犬の精巣です。少しぼかしておきます。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。