島津理科の顕微鏡の物対レンズを分解してメンテナンスしました。
2014年04月18日
前回のあらすじ。
対物レンズ内の侵入したイマージョンオイルを除去するために分解しようとしたらネジ穴すら無く困り果てました。
前回のブログはこちら「顕微鏡の対物レンズにイマージョンオイル侵入!(分解と洗浄)」
今回は・・・
島津理科の顕微鏡(GLB-B1500MBITb)の対物レンズを分解しメンテナンス。その手順と方法です。
※以下の方法や手順は島津理科公式のものではありません。参考にされる方は自己責任でお願いします。
分解ができなさそうでも、組み立てている以上必ず方法はあるはず。
そう考えじっくり周囲から観察。ひょっとしたらと思って、二つの丸い穴に注目。
この奥にネジがあるのかな~?と思いました。
でもそんなに小さいネジはなさそう。ドライバーも相当細くなってしまう。
ひょっとしてここに工具を引っかけて回す?
空気穴の様に見えなくもない。
特殊な工具は無いので手持ちの「ある物」で代用してみる。
「ある物」とはトリミングに用いるコーム(櫛)です。
幅に合わせていらない部分をペンチで引っこ抜いてあります。
(使用後は元に戻して使えます。)
丁度良い太さで1cm位入ったところでネジ穴に入っている2本を同時に保持しながら逆時計回し。
回転しました。外蓋を取り外すことに成功。
そして出てきたのが次の画像。まただよ orz
今度はなんなんだ。という感じですが、幸い二つのくぼみがありました。(赤矢印に注目)
ここも同様にコームでオープンと思いきや、力がなかなかうまく加わりませんでした。
細いラジオペンチの先端を利用して逆時計回りで回転。
中央にレンズがあるのでできるだけ触れないように作業します。
中蓋を開ける際、中蓋をレンズの損傷を防ぐ為のスプリングが支えているので最後の方はゆっくり回転させると良いです。(次の画像参照)
中蓋が取れたら後は角度を付けて滑らせるように中のレンズを取り出します。ラジオペンチ等を入れて取ることは避けた方が良いです。レンズをきづ付ける可能性があります。
ようやく全体像が明らかになりました。
想像したより複雑な構造でした。
汚れていたのは一番目と二番目のレンズの間でした。
99,9%のメタノールを綿棒に付け掃除しました。
ただ、イマージョンオイルは相当しつこいのか、なかなか取れなかったので、しばらくメタノールに浸けておきました。
レンズ汚れの確認は接眼レンズを逆から覗くことにより虫眼鏡として利用できます。
汚れが取れたらあとはエアーダスターでホコリを取り除きましょう。
忘れてならないのがカバーの内側です。
イマージョンオイルがべったりと付いていました。
同じようにメタノールを浸した綿棒にて掃除します。
掃除が終わったらやはり内側にもエアーダスターをかけておきましょう。
掃除が終わったらパーツを組み上げていきます。
二番目と三番目のレンズが似ているので前後関係に注意して下さい。
間違った順番では組み上げると三番目のレンズに傷が付いてしまいます。要注意です。
左の画像の様に整ったら上からカバーを掛け内蓋、外蓋の順に取り付けていきます。
最後に実際に検眼してみてOKならば終わりです。
汚れが取り切れていない場合があるとまた同じ事をしないと行けません。
回数をこなすと慣れますが、小さな汚れがクリーンだった場所に入り込む可能性があるので出来るだけ一回で終わらせると良いと思います。(僕は3回でした・・・)
★ オリンパスのHPは参考になりますのでご一読を。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。
<参考HP>
http://microscopelabo.jp/learn/014/
このページが特に役立ちます。