天気が変わりやすい季節です。熱中症のメカニズムと対策と治療②
2013年04月06日
前回の続きです。
熱中症のメカニズムに関しては前回説明しました。前回のブログはこちら
今回は対策に関してまとめてみます。
簡単に説明するならば、「体温を必要以上に上げさせない」 これだけです。過去の例でご説明します。
<ケース1>
夕方に散歩させていきなり倒れてしまった。来院時体温42℃越えていました。
原因・・・かなり太ったわんちゃんでした。太っていると脂肪が断熱材の役割をするために上がった体温がなかなか下がりません。魔法瓶を想像してください。
対策は・・・①体重を下げる。②夏の場合は夕方でもアスファルトの温度は下がっていない場合は夜の散歩にする。
<ケース2>
雷が鳴り、それに興奮してずっと鳴いていた→2時間くらい鳴きっぱなしだったそうです。この日は雨が降っていました。外飼いのワンちゃんです。
原因・・・雨が降っていたので体温が下がりそうな物ですが、実際は湿度の上昇も意味します。湿度が上がるとパンティングの効率が著しく下がります。(前回記述済)つまり、体温が下がる割合よりも上昇が上回ったケースです。
対策は・・・興奮を抑え、長時間鳴くことを防ぐ。
<ケース3>
実家に帰省するために車に乗せた。(キャリーに入れて)→パーキングエリアで休憩がてら見てみたらぐったりしていた。
原因・・・車内で自由だったらまだ良かったのかもしれません。キャリーの密閉性が体温を上げたと考えられます。ちなみに短頭種でした。
対策は・・・密閉性の高いキャリーは暖かい季節は避けた方が無難です。換気扇を後付けできますよ。(画像参照)
☆車内でお留守番は動物だけでなく人間の子供でも非常に危険とされています。注意すべきでしょう。
どのケースも熱中症ですが原因と対策がそれぞれ異なります。性格や体調、状況によってベストの対策を講じてください。
一番の目的は「「体温を必要以上に上げさせない」です。
次回は熱中症の対応と治療についてまとめてみます。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。