マダニが!!!(マダニが運ぶ病気や病原体について)②
2013年08月23日
前々回の続きです。
マダニについて。
日本には犬と猫に寄生するマダニは約20種類がいます。
足が左右四本ずつある節足動物。ですから昆虫ではありません。注 幼ダニ時は左右3本のものも。
「一番メジャーなフタトゲチマダニの生活環」(そうでない種類のマダニもいます。)
①卵から孵化した幼ダニは3-7日間動物に寄生し吸血します。(大きさ 約1mm)
②脱皮して若ダニに。また動物に寄生して吸血します。 (大きさ 約1.5mm)
③脱皮して成ダニに。また動物に寄生して吸血します。 (大きさ 約3.5mm)
④たっぷりの血液を吸血した成ダニは卵を産みます。2000-3000個の卵を産みます。
①に戻ります。
★ マダニに咬まれて痒くなることはありません。むしろマダニが運ぶ病原体によち感染症などになってしまうことの方が問題です。
マダニによって運ばれる病気(主な物)
「バベシア症」 小さなバベシア原虫が赤血球を破壊する病気です。貧血や黄疸、発熱などの症状がでます。危険な病気です。
「ライム病」 ボレリア菌により発症します。発熱、食欲不振、関節炎などの症状がでます。
「Q熱」 コクシエラ菌により発症します。犬の場合は感染しても症状がでません(不顕性感染)ですが、人に感染した場合は発熱、頭痛、関節炎、気管支炎、肺炎、髄膜炎、肝炎等の症状が出ます。
「日本紅斑熱」 日本紅斑熱リケッチアと呼ばれる菌が原因の病気です。発熱、発疹、頭痛、倦怠感、関節痛などがおこります。
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」 コチラをご覧下さい。マダニから重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因ウイルスを検出。
★咬まれた場合は無理に取ろうとすると、口だけが皮膚に残った状態になりますので絶対に止めてください。
人の場合はお医者さんへ。動物の場合は獣医さんへ。
そうならないために・・・月に一回の予防はしっかり行いましょう。
画像は二人が出くわしたマダニのホルマリン漬けです。クリックで拡大します。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。
著者 渡邉将道