がん細胞だけを破壊する治療装置(BNCT装置)について

2013年09月09日

一昨日ですが、すごいニュースを見ました。

それは「がん細胞だけを破壊する治療装置(BNCT)」というものです。

大阪大学と住友商事が開発しました。この機械は、放射線治療の一つに位置づけられます。

<この治療をざっくり説明すると・・・>

熱中性子線がホウ素とよく反応するのを利用しています。

腫瘍細胞にホウ素を取り込ませて、熱中性子を照射することにより腫瘍細胞内部で核反応が起きて腫瘍細胞のみが破壊されるようです。正常細胞はホウ素を取り込まないので、破壊されません。

なんのことかあまりイメージがつかめません。悪い奴だけがやっつけられると言うことです。まぁこういう時は深く考えずに割愛しましょう。

<通常の放射線治療との違い>

☆アルファ線と7Li粒子が使われる。(通常の放射線治療ではX線とガンマ線です。)

☆一回だけで治療が終わる。(通常の放射線治療は何回かに分けて行われます。)

しかし今回の装置は複数回の照査も視野に入れているようです。

☆正常細胞の破壊が少なく、腫瘍細胞だけを選択的に破壊する。

<対象となる腫瘍>

悪性神経膠腫 悪性黒色腫 頭頸部腫瘍 肝臓癌

<その他>

この治療自体は以前からあるものですが、その精度や被爆量をよりブラッシュアップし、さらに機械自体の小型化を図ったというところが今回の装置の素晴らしいところのようです。

ですので治療出来る場所が限られていたのですが、小型化ということで汎用化されることが期待されます。

早く動物にも応用できるようになるとよいのですが。東京オリンピックまでにはどうでしょうか・・・。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。

<参考HP>

住友商事 次世代がん治療装置(BNCT装置)開発について

URL  http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=27107

公益財団法人 医用原子力技術研究振興財団 中性子捕捉療法(BNCT)

URL http://www.antm.or.jp/06_bnct/01.html





著者 渡邉将道