「重傷熱性血小板減少症候群」と犬と猫とマダニの関係
2013年01月31日
「重傷熱性血小板減少症候群」とは・・・
中国とアメリカで発生例があった人の病気です。
2011年に発見されたまだ新しい病気です。残念な事に昨年12月に日本でも発生が認められました。
飼い主様から質問を受ける事も多々あります。どのような病気なのか出来るだけシンプルにまとめてみました。
<原因>
「SFTS ウイルス」というウイルスです。
<感染経路>
ウイルスを持っているマダニに刺されることにより感染します。(全てのマダニがウイルスを持っているわけではありません) また感染した人の血液に触れても感染が成立します。
動物もマダニに刺されて感染します。(発症例はまだありません) 動物から人への感染は例がありませんが、明確な報告が出るまでは注意した方が良いでしょう。
<潜伏期間 症状>
約6-14日
発熱、下痢、嘔吐、腹痛、神経症状、リンパ節の腫れ、下血、紫斑(青血です。)、血尿等 致死率は10%を越えます。
<診断>
ウイルス学的診断により診断します。(血液からウイルス本体又はウイルスの遺伝子を検出する。抗体の検出も可能。)
<治療>
特効薬はありません。対症療法が主となります。(中国では「リバビリン」という抗ウイルス剤が用いられるようですが、効果があるかどうかは不明です。)
<予防>
マダニに刺されない事が重要。草むら等にいく場合は長袖長ズボンで。またワンちゃんやネコちゃんにはマダニを予防するお薬を月に一回背中に着けてあげましょう。
<その他>
マダニが人に移す病気は以外と多いですよ。リケッチア、野兎病、バベシア症など。(またブログで書きますね。)
画像は血を吸う前→血を吸った後の画像です。クリックで拡大しますが気持ち悪いのでお勧めできません。
<参考HP>
国立感染症研究所HP http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/sfts-iasrs/3142-pr3963.html
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。
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