犬の食糞について。③(食糞の対策を考える。②)
2013年10月13日
「犬の食糞について」のお話も終盤です。
前回は食糞の対策についてのお話でした。前回はこちら→「犬の食糞について。②(食糞の対策を考える。①)」
今回は前回説明できなかった「行動学的問題」が原因の食糞についてです。
「行動学的問題」といっても様々な原因があります・・・。
・原因①「満たされないストレスがある場合」 満たされないことが何かを確認しましょう。例えば・・・
お散歩の距離・時間が短い=運動不足
うんこを食べるとかまってもらえるので食べる=注目して欲しい・寂しい
・対策 満たされないストレスを満たしてあげる。
散歩時間・距離の改善、ワンちゃんとの共有できる時間のさらなる確保。
・原因②「叱咤の回避としての食糞」
過去の食糞時に怒られたためにまた怒られると思い証拠隠滅のために食糞するパターン。
トイレ以外の場所で排便してしまった時に怒られたため、証拠隠滅のために食糞するパターン。
・対策 トイレでの排便が成功したらよく褒めてあげましょう。これを繰り返すことにより、トイレでの排便が定着。また褒めてもらえる事で食糞するメリット・機会がなくなります。
・原因③「食糞が習慣や儀式、癖になっている」
生まれてからの環境やペットショップでの環境が関係していることがほとんどです。
狭い環境に一匹で管理されている場合、うんこは絶好の遊び道具になる事は容易に想像できます。
また意味なく食べ続けることで、習慣として定着し精神的な安定をもたらす事もあると言われています。
・対策 「待て」、「お座り」、「おあずけ」などの号令を教え込みましょう。そして号令を応用して使います。
うんこを目の前に号令を行い、成功したらご褒美を与えましょう。これにより目の前のうんこよりも号令に従った方が良いことがあると覚えます。
・番外編 「味覚嫌悪を利用した食糞防止」
☆ 「ビターアップル」、「トーラスフンロップ・ゴールド」といった食糞防止サプリメントを用いることで止めさせることができるかもしれません。このタイプのサプリメントはうんこの味を「まずいうんこ」に変えます。まずいうんこを食べたワンちゃんは次回から同じ物を口にしなくなると言われています。
食べたものがまずかったり、気持ち悪くなったりした場合、次にからその食べ物を避けるようになる現象を「味覚嫌悪」といいます。
たかが食糞ですが意外にも奥が深い問題である事がご理解頂けたと思います。
根気よく継続することが成功の第一歩です。冷静に毅然とした態度で行って下さい。(騒ぐと喜んでさらに定着してしまいます。)
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。