犬の膵外分泌不全の病態と原因ついて。(臨時休診のお知らせ。)
2014年01月24日
25日(土)は臨時休診を頂きます。
ご理解とご協力をお願い致します。
今回は犬の膵外分泌不全の病態と原因について少し詳しく説明します。
前回のブログはこちら「食糞するくらい食欲はあるが体重は減る(犬の膵外分泌不全)」
<病態>
膵臓にある膵腺房細胞からの消化酵素の分泌能力が10%以下に落ちてしまい、消化及び吸収能力に影響が及んだ状態をいいます。
これにより正常な消化吸収が出来なくなるので・・・
淡色~黄色の軟便、ものすごい食欲、体重減少、食糞や異嗜、嘔吐、お腹の音がしょっちゅう鳴る、皮膚のコンディションの悪化などが見られます。
<原因>
膵外分泌不全の原因として、最も一般的な原因は膵腺房細胞萎縮です。
膵腺房細胞萎縮は慢性膵炎や膵臓の形成不全、糖尿病で発生すると考えられていましたが、現在では「遺伝性」と「特発性」が大きな原因だと考えられています。
☆猫の場合は膵炎の影響で腺房細胞が障害を受け不可逆的なダメージを受けてしまうことが原因です。犬と原因が異なります。
また、膵腺房細胞の萎縮による膵臓の酵素分泌が減る事だけでは無く、その派生的影響は多岐に及びます。
(糖やアミノ酸などの運搬異常、空腸絨毛の萎縮、炎症細胞浸潤、細菌の異常増殖とそれによるプロテアーゼ活性による刷子縁酵素の破壊がもたらす腸粘膜酵素の活性減少等)
<好発犬種>
ジャーマン・シェパード、キャバリア・キングチャールズ・スパニエル、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、チャウ・チャウ、コッカー・スパニエル等。
☆特にジャーマン・シェパードに多い傾向にあります。
次回は診断・治療編です。画像は「黄色いウンコ(イメージ)」です。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。