犬、猫を海外へ連れて行く為の準備。狂犬病抗体価編
2016年09月14日
前々回の予告しました、海外に犬・猫を連れて行く際の実際の事例に関して書いていきます。
「スイスへの渡航の場合」
まず、スイスは正式にはEU圏ではありませんが、輸出検疫証明書はEUフォームでOKです。
これは利用する予定の空港動物検疫所に問い合わせることにより取り寄せが可能です。
書類が届く前でも出来ることは・・・狂犬病抗体価測定です。
これが飼い主様にとっては一番難易度の高い事だと思います。
「まず、簡単な流れを・・・」
①マイクロチップが入っていなければ装着(ISO規格の物を。)
生後91日以上であれば同時に1回目狂犬病予防接種を行なう。
②1回目接種から30日以上経過後2回目の狂犬病予防接種を行なう。
★1年以内に2回接種し抗体価を測定することが目的です。春に接種済みであれば1回接種でOK。それを超えて接種する場合は合計2追加接種が必要です。「有効免疫期間」が1年だから。)
③二回目のワクチン有効免疫期間内(二回目から一年以内)に採血し生物化学安全研究所に送る。
★狂犬病抗体検査証明書兼申請書も記入し同封すること。
(生物化学安全研究所HP犬猫の狂犬病抗体検査よりダウンロード可能 )
採血の日時は確実に抗体価が上がっているほうが良いので、1-2週間後が良いでしょう。
あまりに日時に余裕が無い場合は最後のワクチン接種日でも良いとされています。(結果が不安ですが 汗 )
結果は郵送されてきます。
これでようやく次のステップ「輸出検疫証明書」(国によって形式等異なります)の記入に勧めます。
「知っておきたい事・TIPS」
※ 狂犬病抗体価を測定する機関は日本では一般財団法人生物化学安全研究所の一箇所のみ。費用13000円(税込み)
※ 先に生物化学研究所あてに13000円を振込んでおきましょう。振込み明細を血液と一緒に同封し生物化学研究所宛てに送ります。血清冷蔵保存にて宅配便で!
(これは注射接種と採血をお願いしたドクターに依頼すると良いでしょう)
※ 料金の支払いに関しては下記の銀行振込のみ。複数頭の場合もまとめて振込めます。今時クレジット不可なんて・・・orz
振込先 みずほ銀行 町田支店 (普)1140722
※ 狂犬病抗体検査証明書兼申請書に記入する際に困ってしまう内容について。(現物を見てみると分かります)
依頼日→血清発送日
出国予定日がまだ決まっていない→未記入OK
接種した狂犬病ワクチンの名前が分からない→「狂犬病不活化ワクチン」(英語の場合はRabies TC Vaccine)と記入
製造会社・ロット番号がわからない→空欄OK
有効免疫期間→日本国内で接種していれば一年間
接種日が不明→必ず接種した病院に問い合わせる。接種日時の記入は絶対必要です。動物病院には記録が残っています。
次回は輸出検疫証明書の書き方について書いていきたいと思います。
「免責事項」 法律の改正等で上記の内容が過去の物になる可能性があります。最新事項を確認して下さい。
夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。