避けては通れないペットの高齢化。ワンちゃんネコちゃんが高齢になったときのケアについてまとめました。
シニアケアの必要性
獣医療の発展と共に動物も長寿になってきています。シニアケアの必要性について質問を受ける機会も増えました。
年齢を重ねた動物相手にケア(お世話)をする事は想像するだけでも大変そうです。実際にそのように捉えていらっしゃる方が多いでしょう。
しかし、実際はそうでもありません。必要な知識と準備、ケアの「こつ」さえ掴めればその労力はかなり軽減できるでしょう。
例えば歩行困難になった場合、本人は散歩に行きたいのだけれど歩けない場合は、乳母車の様なキャリーに乗せていつもの散歩ルートを辿るだけでも十分本人は満足してくれるでしょう。
散歩は必ずしも自分の足で歩かなくても良いと思います。以前の状態に拘らずそれに近い事を用いる事により充分満足できる結果が得られるでしょう。
その他にも寝返りが困難な場合は敷物に低反発マットレスを使ったり、排泄に耐えうる素材にしてあげるだけで日常管理の手間を軽減・容易にすることが可能となり、ケアする側、される側の両方にメリットをもたらします。
当院では、健康状態の管理・維持や日常生活のサポートを通じて、シニアのワンちゃんと飼い主さまの「良い関係づくり」をお手伝いしたいと考えています。
シニア世代にも快適に!知っておきたい事
ワンちゃん・ネコちゃんは人間の4倍速く年を取ると言われています。
年を重ねることを受け入れ接することは、ワンちゃん・ネコちゃんへのやさしさの表われだとアニウェルは考えています。
いつまでも健康に過ごすためには、年齢に合せたケア・生活環境などを整え、変化に対応することがとても大切になります。
シニア世代の生活面のケアについて
当院ではシニアのワンちゃん・ネコちゃんに向けた様々な取組を積極的に行なっております。
様々な視点からのアプローチを複合する事により生活の質の向上が期待できるでしょう。
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生活スタイルのご相談
年齢を重ねるに連れ、お散歩、家での生活環境、予防医学等もそれに対応させる必要が出てきます。
今までできた事が出来なくなったり、そのフォローの為に新たにすべきことが増えたりと様々な変化に対応していく必要がでてくるでしょう。
そのような飼い主様とワンちゃん、ネコちゃんの生活スタイル見直しのご相談を受け付けています。
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食事管理のご相談
ご飯やおやつは毎日の事ですが、見落とされがちな項目です。年齢や健康状態に合せた食事管理をすることにより、より適切な管理が可能になるでしょう。 また、疾病を持っている動物の為の食事に関しても同様です。毎日の栄養管理ほど体の状態を左右するものはありません。食事管理に関してのご相談を受け付けています。 -
認知症のご相談
近年ペットの高齢化により認知症も珍しくありません。残念なことに認知症自体の治療は困難な場合が多いですが、適切な対応を行なう事によりが可能となります。
認知症が進行すると生活の質が下がる傾向にあり、それは同時に飼い主様の肉体的・精神的負担が増加することを意味します。
結果的にワンちゃん、ネコちゃんとの生活自体が苦痛となることもあります。認知症と向き合うための正しい知識とコツを理解して頂くことにより、無理をしない管理が可能となるでしょう。
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口腔ケアのご相談
毎日歯みがきをする訳ではありませんので年齢を重ねると当然歯石が目立ちます。さらに免疫力が低下することも加わり、歯周病、歯肉炎等の口腔内に関するトラブルも増えてきます。
歯周病の進行は口腔内だけでなく全身に影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。口臭が気になるなどのお悩みに関して当院では口腔ケアのご相談をさせていただきます。
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一時預かり(デイケア)
シニアになると基礎疾患の有無や認知症が始まったりなどで、ワンちゃん・ネコちゃんだけでの留守番が困難になります。
一方で飼主様がどうしても家を空けなければならないような事態も必ず起こりうるでしょう。
そういった場合に安心してお出かけが出来るように当院では一時預かりも行なっております。
当院の一時預りについて
- 半日からお預かりいたします。(診療時間内の受付とお返しになります。)
- お預かり時には獣医師による事前診察を行います。
- ワンちゃん、ネコちゃんの健康状態、基礎疾患に応じお預かり環境をご用意しております。(ICU利用、認知症対応など)
- 食事・投薬・散歩等のケアを行います。シャンプー・トリミングご希望の方は予約をお願いします。
お預かり条件について
- 当院の患者様であること(カルテがあること)
- お預かり時には獣医師による事前診察を行います。
- ノミ・ダニ予防を行っていること
- 狂犬病予防接種、混合ワクチン接種を行っていること
(※動物の状況によって異なります。獣医師とご相談ください)
シニア世代の予防と治療について
年齢と病気の関係は残念ながら切っても切れない関係です。動物でも同じ事が言えます。
当院では病気を未然に防ぐ事も大切ですが、年齢に応じた検査・治療方針についても考える必要があると考えています。
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健康状態が維持できているかの確認(定期検診の勧め)
年齢を重ねると体の様々な場所で変化が見られるようになります。
はじめは小さな変化ですが時間の経過と共に大きな影響を持つことも珍しくありません。それが経年変化なのか病気なのかでその後の対応が大きく変わってきます。
定期的に健康診断を行い、早期発見、早期治療を目指しましょう。
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負担の少ない検査
高齢になるとちょっとしたことがストレスに繋がり、動物への負担となるケースがあります。
当院ではできる限り検査においても動物へ負担が少なくできる機器や方法を用いて行っております。
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年齢の変化に対応した治療
高齢になると体力や免疫の低下から治療に対するアプローチも当然変化します。若い頃の治療法とは異なるケースや手段も考えなければなりません。
動物の状態や飼主様のご要望に応じ、負担の少ない治療法含め、複数の治療法をご提案しております。
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負担の少ない手術・麻酔
当院では手術時にはできる限り動物への負担の少ない方法を取り入れています。
麻酔時間の短縮や、疼痛管理(痛みの軽減を管理する)、手術時間の短縮など、年齢や健康状態を考慮した方法を選択し、動物への負担軽減を常に考えております。
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リハビリや機能維持への取り組み
高齢期の関節機能・筋力維持や術後の機能回復を促進を目的としたリハビリのご相談、ご提案を承っております。
ワンちゃん、ネコちゃんがストレスを感じることのないように、また、ご自宅でできるケアも含め獣医師・看護士がサポートさせていただきます。
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セカンドオピニオン
他院にて治療を受けられている飼主様で、今後の治療方針や新しい治療法を探されている場合の、セカンドオピニオンも受けつけております。
「薬は飲んでいるが、実際はどういった病気なのか?」
「なぜ今の治療で症状が良くならないか?」
「他にできる治療や選択肢はないか?」等当院の獣医師と共に考えることにより治療に対する不安を払拭できれば幸いです。
今の病院への気遣いから他病院の意見を聞くことをためらう飼主様もおられますが、治療の選択肢を広げることは非常に重要だと考えます。もちろん当院での継続治療もできます。「ちょっと話を聞いてもらう」感じでお気軽にお越しいただければと思います。